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水夜ちはる「死神」
まとまりがあって読後感も良い短編でした。
ただ先読みはしやすいですね。いつもより短いせいかな?
異動先の先輩に関しては男性でも良かったと思います。
そのほうが死神と少女の出会いが際立ったかも。

天使から死神への転職、死神の仕事を説明するエピソードなどなど、コンパクトにスッキリとまとまっていて、お話の流れにスイスイと乗れて面白く読めました。
ヒロイン?が生死を選択するまでがあまりにも早過ぎる感じがしました。もう少しエピソードを挟んで重さを持たせたほうが良かった気がします。

星野伊織「線香花火」
思春期の少年の心の動きが鮮やかでした。
少年だけを見ればわだかまりの解れを感じて読後感はいいのですが、
少女とお母さんには、もやっとしたやりきれなさが残るのが気になります。
短編では難しいかもしれませんが、なにか和解なり救いがあったら、と思います。

ひと夏の出来事が鮮やかに描かれていて、青春って感じがしました。
女の子に促されて主人公が自分の思いを吐露する場面や、その後の家族とのやりとりがとても心に染みました。
最終ページの3行、それの前の段落とうまく場面が繋がるともっと良かったと思います。ページが分かれたせいもあるのでしょうが、一瞬話が繋がらなくて蛇足的に思えました。
会話や一人称の表現で引っかかるところがありました。

比良連「帰郷」
男女、という感じが希薄、ボーイミーツジジイ?
登場人物の中で好感を抱けるのが彼女の両親のみなので、感情移入がしにくいです。
主人公って感情を発露しないのに思い込みで静かに暴走するタイプなんでしょうか?
自然体って言葉が、不自然なほど出てくるのは笑いました。

淡々とストーリーが進む中で、最後の猫のエピソードに希望が感じられて良かったです。が、どうにも釈然としない感じが残りました。
恋人の父親と釣りをしたり酒を飲んだりするシーンが印象的。主人公が彼に感情移入していく流れは面白かったです。
「自然体」という言葉が何度も出てくるのが不自然。そこから最後の帰郷への繋がりが?で、無理に言葉で締めなくても良かったのでは、と思いました。

赤崎翔「天輝の花」
面白かったです。18thの続きですね。
拾った女の子が登場こそインパクトがあったものの、
途中は存在感がなく、もう少し目立たせてもよかったのではと思います。

読みやすく面白かったです!
世界観がしっかり感じられて、主人公の錬金術士、助手の少年、拾った女の子、それぞれの個性が際立っていて良かったです。
花火を作るとき、拾った女の子の出番がなくなってしまったのがちょっと引っかかりました。最後まで絡ませてほしかったです。
助手の少年と幼なじみの少女とのエピソードは18thを読んでないとわかりづらいかもと思いました。

美作驟雨「Remake the Worlds.」
フジリュー版封神演義みたいだなあと思いました。
目的は違えど介入しまくる「歴史の道標」が居るせいですかね。

長いのと文体の強さもあって一番読み応えがありました。好きな作風ではありますし、最初読んだときは面白いと感じたのですが、正直校正で4回も読んだのでもうよくわかりません。
すべて地の文なため会話の判別がしづらいです。
途中神話調になる部分は普通に小説として書いてほしかったです。
伯爵の首が胴体を離れてしゃべるシーンはシュールで好きです←

なな「sweet × tweet」
設定上男の子だけど、女の子同士にしか見えないなあ。好きですけど。
高校生にしては幼い感じがして、通しで読むと小中学生のこまっしゃくれたやりとりっぽいですね。
内容はこのくらいの長さでちょうどいい感じ。変に長くなるより収まりがいいです。

佐藤遠菜「ある夏の日」
文化祭巡りが冗長過ぎて退屈です。動きがあるのに動きを感じない。面白みもない。
多少恋愛イベント展開はあるものの、道中の二人から恋愛感情を読み取るのは至難の業。
やり取りする台詞に重さが全くないため、中身がすかすかです。
軽いやり取りを描きたいなら、もっと地の文を増やしてもいいのではないでしょうか。

前半から後半までの文化祭巡りをどう楽しめばいいのかわかりませんでした。
最後まで読んで、文化祭巡りの中に最後へ導くようなヒントが散りばめられていれば面白かったのでは、と思いました。
(超個人的意見ですが)文化祭は秋って印象があるのでタイトルに違和感を感じました。

しゃぐな「プリンのマホウ」
校正のときより加筆されてますね。校正したはずの場所が未修正になってたので、作者の旦那に苦情を申し立てたい。(少なくとも算用数字は全て漢字に直したと思う)
加筆前唐突に出てきた幼馴染が、存在を匂わす記載が増えたことにより登場が自然になっていて良かったと思います。
スピーカー越しの彼の声には気付くのに、直接会った彼の声に気付かないのは少し不自然ですね。懐かしいと感じる声ならは肉声のほうが記憶に近いと思うのですが。
意識して聞くのと、無意識の違いなのかもしれませんが。
全体的に柔らかく優しい雰囲気が素敵です。10thの館さんのときから作風はあまり変わっていないようで安心しました。

落ち着いた雰囲気で語られていくので安心して読めました。
妹やその子どもたちに向けられる感情が優しくて良かったです。
カルボナーラとナポリタンが美味しそうで食べたくなりました。
・回目に再会したとき、相手と会話をしているのに気付かないのは不自然な感じがしました。1回目は会話をしない(声を聞いていない)とかにすれば良かったのでは、と思いました。
「」内の最後の「。」を削除したくてたまりませんでした。

クリイプ「パンドラボックスアカデミア」
ギムナジウムいいですね。
テーマを隠しても、序盤の入浴で違和感をおぼえテーマが透けて見えてしまいます。
授業内容は序盤もう少しぼやっとさせて、後でくっきりでもよかったかも。

タイトルが絶妙。
閉鎖された空間独特の靄のようなものがお話全体に感じられて、それが外からきた少女の明るさを際立たせていて良かったです。
最後の一文好きです。いい終わり方だと思いました。

イマイマイ「madrugada」
日常的な出来事の端々に別れの前兆が感じられて、明るいのに切なくて、そして密かな熱を感じるお話でした。
別れを前にした主人公が、友人たちに何かを残そうとしたり、別の感情を見い出しながらも押さえ込んだりと、割り切れない感情を抱えながらも別れを選ぶのがやり切れないですが、そこから最後希望を取り戻すのが感動的でした。
冒頭、ちょっと話に入りにくい感じがしました。
料理のシーンが美味しそうでいいです! 角煮食べたい。
懐かしくなって『アイタイ病』を読み返してみました。頭から花はインパクトありました。

三城俊一「サライェヴォの銃弾」
夫婦の強い愛情を感じました。報いたい認められたいという想いが悲劇に繋がるというのは、なんともやるせない。
悲劇的ではあっても、周囲の冷遇に生涯負けなかったと思えるラストの余韻が素晴らしかったです。

いつもながら安定の描写力でブレがないです。
三人称で登場人物の感情描写はほとんどないのですが、それだけに起きた事実の積み重ねから登場人物たちの心情が察せられて胸にきます。
珍しく事件そのものを知っていたので、タイトルから最後がどうなるかは読む前から想像がついていたのですが、良い意味でそれは裏切られなかったという印象。
ラスト、皇帝に関する描写はなくてもよかったようにも思いました。

松駒「シーサイドスーサイド」
リメイクとのことで、よくまとまってると思います。
男性の飄々として諦めている雰囲気がいいですね。

黒い松駒さん。でも最後は明るく締めるところもまた松駒さん。
短い中に二重三重の仕掛けが施されていて、それをほどよくばらしていくという……面白かったです。
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クリイプ「まだ名前のない神様」
舞城王太郎の「みんなげんき。」を思い出しました。
読み始めが辛い。ノって来るまで辛い。3行目の表現(私と弟が通う小学校で運動会があっている最中のことだった)で転けて三時間放置してから再度読みました。
弟と言う表現が多くて、色々隠したいんだろうなーってのが透けて見えちゃって、一寸残念。途中、弟は~を彼は~の表現に換えれば、其れを隠せたんじゃないかなーとか、思いました。
「みんなげんき。」のイメージで読んだので、真の能力者が誰かが頭の中で分かっちゃったのが一寸だけ残念でした。
好きな人は好きな文体なのではないでしょうか。
僕は嫌いですが。
リズムが掴み難かったのが嫌いな理由です。

導入に一番いいと判断してこの位置です。
目線の高さやまとめ方のバランスが良く、ほろ苦く後を引く読後感でした。
引っかかるといえば主人公が自分自身を良い子って言っちゃう辺りでしょうか。振る舞いに合ってない感じがしました。

ストーリーは面白かったような気がします。というのは、文章にすごく違和感があって、主人公に感情移入ができませんでした。文章のリズムとか繋がりは自然なんですが……。2、3回読み直しても入り込めなかったので単純に合わないんだろうなぁと思います。
ストーリーは、最後お父さんが帰ってくるのと弟が消えることが絡ませられたらもっと良かったのでは、と思いました。
タイトルは今回の中で一番好きです。

三城俊一「優しき博士の処方箋」
ノンフィクションはあまり好きではないのですが、何処かで聞いた話だなーと思ってたら、大学の講義で聞いた話でした。
可も無く、不可も無く。
知らない話で在れば、面白く感じたと思います。
表現で少々、気になった所が「自殺幇助」と言う表現です。
確か自殺幇助罪は日本固有の名称だった気がして。
アメリカでは「死の幇助」だった様な気がします。
記憶違いだったらごめんなさい。
「自殺幇助」と書かれるよりも「死の幇助」と書かれた方が聞き慣れない音なので注意を引ける様な気がしました。
あと、物凄く気になって、読みながら気持ち悪く成った表現が「此岸」ですね。
キリスト教圏で此の表現は在り得ない「此岸」は仏教の概念です。
主イエス~とか言ってる後に此の表現が出て来て、物凄く気持ち悪く成りました。

お久し振りです。以前の作品のイメージからはパワーダウンしている気がします。それは恐らく死に臨む主人公が行動を制限されているからで、どちらかといえば姉目線で書いたほうが動かしやすかったのでは、と思ってしまいます。
パワーダウンしていても文章力と心情の表現は素晴らしいので、またよろしくお願いします。

掲載作品の中で一番完成度が高かったと思います。「面白かった」とは違いますが良い作品でした。
基本的に読ませてくれる文章なので、ストーリー的にもっと遊びがあっても良かったのでは、と感じました。

水夜ちはる「神の戦争と勇者の瞳」
30代半ばには割と分かる話で、好きです。
「ジハード」や「クルセイド」皆、読みませんでしたか。
僕の頭の中で、あの絵でキャラクターが表示されてかなりストーリーを追うのに苦労しました。
何処かで題材にされているモノを自分の作品にするのって難しいな、これ。
素直に然う思いました。
僕には書くのが無理な作品だと思います。
リズム感も在り、読み易い作品でしたが、僕の場合ジハードの小説版、漫画版を夫々10回は読んだ所為か、可も無く、不可も無くでした。

短編で人数多いと辛い。まず短編向きの題材じゃないというのを校正と打ち上げで散々言ったので省略。
俯瞰が多くて人物がイマイチ入ってきませんでした。今回と同じように歴史人物をモデルにしたご当地のときは読みやすかったのに。

一言でいうと田中芳樹の銀英伝っぽくて好きです。キャラクターの役割が被っているだけに余計にそう感じたのかもしれません。
文章がいつもより粗い感じがしましたが、それはそれで読みやすかったように思います(「てにをは」的な誤字や脱字がいつもより多かった気がしました。気だけかもですが)。
歴史説明が多いのとメインのキャラクター視点(?)が2つあったため最終的に中途半端な終わりになったのかなぁと感じました。

美作驟雨「美作古書店―神遊 KAMIASOBI―」
遊ぶとか実験とかはいいんですが、せめて規定枚数内でお願いします
人数が増えた辺りで急に話が見えなくなってよくわからなくなりました
二度三度読めば人数が増えた辺り以外は読みやすくなってきました

しゅうさんが昔書いてた『櫻ノ海』の別視点ショートカット版?、と『櫻ノ海』を読んだことがある私は感じましたが、読んだことのない人には何が何やらでは?
途中人数を大勢出す必然性がない、最後の決着部分が書かれないっていうのが気になりました。
文章的には人数を大勢出しているところだけやけに読みにくいというか変な感じがしました。

佐藤遠菜「わたしのかみさま」
ええと、これ5.で良いんですよね。
取り敢えず短いし、在り来たりの話だったのでサックリと読めました。
「世にも奇妙な物語」系ですね。僕世代だと「アウターゾーン」とか面白かったですよね。
あの頃のジャンプは良かった。
こち亀も両津がまだ確りしていて!
アウターゾーンと言えば、ミザリィが可愛かったですよね。そして、占いピエロの話が結構好きでした。
出だしの「殺したい」×3で、ああいうのを期待しました。
が、幸運の手の話でしたね。
ああ、然うか。
何処かで読んだ系統だと思ったらアウターゾーンの幸運の手だったのか。
言葉の表現が軽くて殺意が伝わってこなかったのが残念です。
逆に、サイコしたかったのかもしれませんが、サイコはもっと強烈です。サイコ的思考にも至らず、よく在るテンプレ電波の手法だったので、残念。
サイコな思考表現だったら、背筋が凍ったかもしれません。
主人公が一人相撲する話で、残念でした。

マイルドに言うと嫌いです
物語として機能してないですし、作者が判断して自主的に差し戻すべきだと思います

ストーリーがご都合主義過ぎなのと文章が安易すぎだと感じました。
18thの作品から考えるとどちらももっと推敲できたのは?と思います。
締切破りまくってる私がいうことでもありませんが、今回時間がなかったとかなのでしょうか?

比良連「神奉者」
水嶋ヒロの「カゲロウ」を何故か思い出しました。
切迫感の無い死との邂逅だなぁと思いました。
そして、凄く気になる表現が在って、其れが突き止められず吐き気を催して一日置いてから読んでみたのですが、ダメです。
主人公=作者は「異性とのセックス」という表現をしないと一般的なセックスのイメージに結びつかない人なのでしょうか。
他人様の性癖に兎や角言いたくは無いのですが、「異性とのセックス」という表現が3回続いていて、正に僕の集中力の糸も「ぷつんと切れたのだ」状態になりました。
此の「異性とのセックス」を何とか潜り抜けて、「京都の料亭」で再度、素っ転びました。
例え話なので突っ込むのもどうかと思ったのですが、当初、書き間違えといっているのですが、途中でキーボードでの入力作業という表現が出て来るのです。
Windows98SEくらいの時代ならまだしも、精々XP時代じゃないですかね。
そんな時代に「の」が抜ける事ってあり得るのかなぁ。。。とか思いました。
僕はMacですので予測変換をちゃんとしてくれますから「の」を抜かす事は少ないと思うのですが、Windowsであればあり得るのだろうか、という新しい好奇心が湧きました。
有難うございます、今度試してみます。

とても冗長に感じました
くどくすることで主人公の性格を表現したのだと思いますが表現は今の半分にしても充分伝わります
削ぎ落とすことができない結果枚数をオーバーしてしまうのは良くないと思いますし、筆の早いタイプならもっと工夫できたのではないか
それと、神道だと確かに死後は神になりますが、自殺者は現世での修行を途中で辞めてしまった魂の扱いになります
それなのに神になるとか言っちゃうのは理屈っぽい主人公のわりに安易だなと感じました

嫌いじゃないタイプのストーリーだし、文章は丁寧で読みやすいです。
ただ、思わせぶりな表現があまりにも多過ぎてそれらを考えながら読むと疲れます。
重要じゃないところの表現はもっと普通の言い回しにして良かったのではないでしょうか。

なな「終電小話」
GANKONを思い出しました。
どうも、神様のキャラが薄くて薄くて、悲しい限りです。
賽銭~の表現でGANKONを思い出しました。
思い出してから、少女のイメージがイサナさんに変わったので読み易く成りました。
話が短いので、このハッピーエンドなバージョンの他にバッドエンドバージョンも在ったら面白かったのでは無いかなぁと。
日本の神様は、崇めると幸せを齎しますが、貶めると祟るので。
と、此処までの作品を読んできて、皆、日本人なのに良い方の神様しか書いて無いじゃん。
あー、自分、祟りの方を書けば良かった。。。と後悔。
ってか、祟りみたいなモノを書いては居るのだけど表現、薄かったですね。
作品的には、女性作家の短編作品によく在る系統の話ですね。
四コマとかでも似た様な話は2作品程知ってます。

少女の姿の神様とか好きなんですが、なんとなくしっくりこないと思いました
言葉に感銘をうける理由が見えてこないせいかな
だって主人公そこまで切羽詰まってるように見えないし

イマイマイ「神はなし」
オリジナリティが在って、今回の創作文芸の中で一番、面白いなぁと思いました。
未知は面白い。
此れ、人間の本能。
「地獄先生ぬ~べ~」を思い出し、「月姫」を思い出し、「HOLiC」を思い出しましたが、其れでもオリジナリティが在って良かったと思います。
どうも、此の歳まで生きてくると既知が多くて、未知に廻り遭う事が中々出来ないのですが、今回は未知に廻り遭えましたので少々幸せです。

キャラクターとストーリーバランスの良い作品だったと思います。
ただ、最初の2行の位置づけがよめなかったのと、主人公の名前が読めなかった(杢埜「もくの」でいいの?)ので出だしでいきなり突っかかりました。
最後まで読んで、センセ側から見た話が読みたいなと思いました。
松駒「恋する爆弾娘」
いつもよりパワフルな松駒さんでした。個々のキャラクターがはっきりしていてきっちり立っていると思います。恋をしないために、と行動するのに惚れっぽい彼女が素敵でした。
視点が三人でくるくる変わりますが、ときどき誰の視点だ?とわからないときもあるのが気になりました。これって主人公は誰なんでしょう? 最後の視点で須藤君主人公だと思うのですが出てくるのが三番目なのでちょっと薄い感じ。影が薄いという須藤君のキャラには合ってるのかしら。

恋愛を主軸に置きながらも謎ありアクションありと盛りだくさんなエンターテインメント作品でとても面白かったです。こういうの書きたいです←
突っ込むとすれば、最初の彼女視点の部分は改行欲しかったかな、ぐらいでしょうか。言葉もわざと印象に?残るようなものを選んでいると感じたので、勢いを殺さないよううまく改行したほうが読みやすい、とっかかりやすいように思いました。あとは科学者視点が必要だったのかなーぐらいでしょうか……ちょっとがんばった粗探しでした。

キャラクターが動きまくってて、アニメとかで見ると物凄く楽しそうでした。

クリイプ「初恋クランベリー」
謎のお姉さんってときめきますよね。ちょっと最後が急展開過ぎて物足りなく思いました。
コミティアで購入した長編が良かったので比較したらちょっと見劣りする気がしました。

小学6年生の語彙力で話が展開されるので非常に読みやすかったです。
一人称小説でありがちな「その人物が知り得ない言葉や情報を出してしまう」という
禁じ手を意識して丁寧に話を練っていることが伺えます。
些細な恋話で浮き立つ教室など、「あったあった」と懐かしめる情景が浮かびました。
一方で、弱気で消極的な主人公がお姉さんを蹴り飛ばすという衝撃的な結末が受け入れがたかったです。女性に暴力を振るう人物が生理的に受け付けない私の好みの問題ですが。
ただ、それだけ恋する主人公の想いが強いという象徴ですし、非常に印象的な場面なので読者に衝撃を与える点では効果的といえますね。次作も楽しみにしております。

小学生の男の子の、お姉さんへの恋と謎がミックスされたいい感じのお話しでした。途中と最後の謎と答えがいい味……今度形を変えてこんな感じのやってみたいです←
読後感はあっさりしているのですが、最後蹴り飛ばすのがちょっと受け入れ難かったです。蹴り飛ばした後に後悔→和解があればちょっと違ったのでは、と感じました。

比良連「越境」
作中で奈々子さんがあまり見えてこないので主人公の躊躇や焦りはよく出ているのですが、二人の関係が希薄に見えてしまいます。
どちらかといえば主人公と宮島さんの奇妙な友人関係のほうが魅力的ですね

文学作品の一節を居酒屋の店員にドヤ顔で語るなど、村上春樹の用いる手法だなと読んでいて感じ取れました。ハマる人にはハマる独自の表現を確立していますね。
同棲を決意する動機が弱いかなとも思っちゃいました。うだうだ悩んで何となく着地する主人公の生き様が現実的といえば現実的ですが。私も同じく、この奇妙な友人関係が好きです。次作ではこういうちょっと不思議な距離感の人間関係を活かしたお話が読めることを期待してます!

作風は個人的に好みですし、ストーリーも主人公の日常や恋人、友人とのこれまでの出来事などが丁寧に書かれていて面白かったです。
ただ、恋人がどういう女性なのか全然見えてこない、さらに友人のキャラクターがたち過ぎていたのと主人公の中で大きい存在だったので、テーマの「恋愛」から考えるとちょっとうーん?となりました。
結末が逆だったら納得がいった気がします。

七塚真「水彩の日」
一週間で書かれたとは思えない密度でしたが、恋愛ではなかったです。
表現は多彩ですが、賑やか過ぎて疲れる感じもします。

表現の豊かさは随一です。しかしそれが故、話の流れが頭に入ってきません。
情報量があまりにも多すぎて私の凡庸な頭では処理しきれないのです。
話の本筋に関係する表現とそうでない表現を仕分けて削るともっと素敵になるのにと歯痒いです。
それとこれは、恋愛というより「親子」というテーマで提出されるべき小説ではないでしょうか。

海外の短編映画みたいな感じがしました。こういうの好きです。
この表現で書くならもっと短かかったほうが良かったと思います。
先に述べていますが、テーマが「恋愛」ではなかったと思います。

赤崎翔「炭酸水の微笑」
以前よりすっきりして読みやすくなっていると思います。
今回の流れを簡潔にすると
「少年がどうしても我流錬金術では失敗してしまう炭酸水を錬金術師に頼んで習う(実質代わりに作ってもらう)→幼馴染に届ける」
ですが、同じ題材でも
「少年が幼馴染に届けたくて錬金術師の家を覗き見る→見つかってしまうがなんとか炭酸水を手に入れる→届けた先の幼馴染の笑顔を見て錬金術師を志す」
としたほうが起承転結を感じやすくないですか? 物語の起伏を意識するとよくなると思います。
あと最初遠いかのように書かれている錬金術師の家が段々村に近くなってる?

錬金の過程を描きたかったのだな、と書きたいものが伝わる小説でした。
ただ「恋愛」がお題ではあるので、炭酸水にまつわるエピソードを丁寧に書き込むと少年の強い想いがより説得力を伴って表現できたのではないかなと思います。
あと、個人的に錬金術の師匠のおっさんが好みです。ダメダメな見習いと堅物のおっさんの錬金工房を舞台として、そこに「炭酸水を作って欲しい」という依頼が舞い込み……と物語の起を作ってみると小説として面白くなりそうな気がします。
ただ、以前の小説よりも格段に上手くなっていますので、次作以降の成長がとても楽しみです。

素直なストーリーでするりと読めました。錬金術士がいい味出してたと思います。ロウと炭酸水を作る場面良かったです。
テーマを「恋愛」にするにはちょっと弱い気もしました(友愛ぐらい?)。ロウからトルテへのもう少し強い思いが感じられる描写があったほうが良かったように思います。
あと、これまでの作品よりずっと面白かったです。

好きです。短編なせいか物足りない感があるのが残念でしたが、魔法より科学寄りな錬金術のくだりが好きでした。

水夜ちはる「夏とオタクと原稿用紙」
校正のときに自分で言ってたように尻切れ感がもったいなかったねー
出会いのイベントをもっと薄くしてもよかったかも。でも面白かったです。

正統派ラブコメで、女の子が可愛く、主人公が熱血(でもヘタレ)。
恋愛小説としての条件を問題なく満たしていて、その手腕に舌を巻きました。
「もっと二人をニヤニヤ眺めたい!」「イベントのドタバタっぷりをどう表現するのか!」
と読みたい感情を煽られて、これからってところで終わるのが勿体無いです……。
それだけ魅力的なキャラクターが作れているということなのですが。
参考にして我が物としたいです。
「いい加減休みたい」と仰っていましたが、私はもっと水夜さんの物語を貪欲に楽しみたいです。

ボーイ・ミーツ・ガール オタク編、と名付けたい感じでしたw
オタクのみんなは読んでてニヤニヤするか恥ずかしい気持ちになるかその両方がごちゃまぜになるかという恐ろしい作品。
王道路線なだけに、最後お父さんは「それとこれとは話が別」と、もうちょっと踏ん張って反対すべきだったと思います←

なな「キューピッド・ロボット」
巻き込まれながら夢中になっていく様子がいいですね。短い中に緩急がしっかりあって読みやすかったです。
一人称三人称がちょっとゆらゆらしてましたがそんなに気にならない程度でした。

すんげぇ面白かったです。高野ありさが尋常なく可愛いです。
感情の起伏が激しく研究職特有の奇抜さを持ち合わせていますが、そこがとても好みです。
登場人物が例外なく特徴を持ち合わせていて、魅力的なキャラクターたちが「ロボットを作る」という目標に向かって一丸になるという話の展開にも引き込まれましたし、恋愛というのを直接的には描写しなくても、研究室で過ごした日々そのものに恋や愛情が見え隠れしていて……あー、上手く語れないのがもどかしいです。
読後感もトリを飾ってもおかしくないほど良いです。仕事と並行しながらの執筆とは思えません。
次作のテーマはおそらく「神様」なのですが、そこで綴られる物語が今からとても楽しみです。

夕埼灰嶺「二千年後の君へ」
いつものことなのですが、長編の一部を切り取って短編の長さにしても、それは短編小説ではないので登場人物だけ出して終わってしまってます。恋愛という枠からも外れています。
物語の筋に関係ない設定を出さないほうがいいのかもしれません。前世だとか特別な力を持っているとか人間ではないとか。表現力はあるのに設定が盛り沢山過ぎて書きたいものやストーリーが見えてきません。

そうですね、表現に困るのですが、起承転結を意識されてみてはいかがでしょうか。
正直、このお話を説明しろと問い合わせを受けたら「分からない」の五文字以外浮かびません。
小説っていうのは「××は○○できるか?」っていうセントラルクエスチョンがあってこそ、面白くなるんですよ。変なお姉さんとの恋は実るのか? 同棲に踏み切れることは出来るのか? 炭酸水を幼馴染に届けられるのか? などなど。これをいかに手早く読者に提示して、物語に興味を持ってもらえるかが勝負所なんです。
同人誌といえども読んでいる人を想定して物語を描くことは要求されますので。
厳しいことを並べてすみません。表現力は私よりも十二分にあるからこそ述べています。それを活かし切れていないのはあまりにも勿体無いです。

表現はキレイなので読んでて嫌な感じはしないのですが、話しの筋が見えてこないので雰囲気小説?としてしか読めませんでした。

佐藤遠菜「かたこい」
題材や書き方は面白かったのですが後半のパワーダウンが残念です。
数年募らせてこじらせた想いなら、もっと極端に出現してもよかったなと思います。

片想いという恋愛の定番中の定番をそつなく描写できているのが素敵です。
基本をきっちり書ける=定石を覆す多彩な展開もこなせる、ということなので。
インターネットを介して思いを寄せるというのも身近な題材なので登場人物に感情移入しながら読み進めることが出来ました。距離を置かれていく描写も地に足ついていて、違和感を覚えることがなかったです。
ただ、主人公があっさり身を引き過ぎているかなとも思います。もっと歪んだ狂った拗れた片想いというのも読んでみたかったです。フツーの女の子のフツーの失恋物語、ということで印象に残り辛いのが難点かなぁと思います。定番が綺麗に仕上がっているからこそ、独特な物語も読んでみたいという思いが湧いてきますね。次作を心待ちにしております。

中盤までの、ネットを通じて好きになった人へのアプローチが面白かっただけに、ラストが力尽きた感がありました。会えなかった時間の流れ、再会する場面、その後、はもうちょっと盛り上げても良かったのでは、と思います。
個人的に好きな作家さんへの好意をどこまで表現したらよいのかというのはいつも悩みどころなので一番共感した作品でした。Twitterのとことか読んでてすごく楽しかったです。

イマイマイ「万年青の赤い実」
作品群の中で一際興味をそそられる題名でした。中身もそれに見合ったもので、魅力的な名づけができる感性がとっても羨ましいです。
イマイさんお得意の「百合を匂わせる女性たちと一人の男性、やきもきする登場人物たち」を読めてホクホクしています。三角関係って良いですよね!
委員長が万年青さんに思いを寄せる動機というか、説得力のある場面の描写が若干薄いかなと感じました。難癖をつけているにも等しい私見ですが。
最後、恋に無自覚な主人公が親友との対話を通じて赤い実が弾けるという展開も良いですね。トリを飾るに相応しい読後感でした。次作で書かれるであろうテンション高めの付喪神、すっげぇ楽しみにしてます。

今回の作品の中で一番面白かったです。タイトル読めなかったですけど←
でも「青」の「赤い実」ってだけで意味深なタイトルでイイ。
舞台が図書室で、主人公が図書委員で、新しくできた友人は美人な読書家で、変な図書委員長って、設定だけで美味しかったです。その設定を活かしながらも地に足の着いた感覚で主人公の心情が丁寧に書かれています。
常に腹八分目をキープしていた美味しいお話しでした。
続きか間の話しが読みたいです。

魅力的なキャラクターと青春を感じる作品でした。ストーリーのまとまりが良く安定感があり、短いながらもスッキリした読了感ある素敵な小説でした。
(恥ずかしながら万年青を知らなかったので調べました)
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